7 虚無虚無自虐に向かう循環思索を亡くしたけれど 刺激が偏向していく。 会話を亡くし、て。 傷つくこと。 不快な刺激、を極限に遮断する暮らし。 残滓は 生温い心地良さ、だけ。 浮世を 配信記事で掴み 配信動画の写真を観て暮らす。 泡沫な 腹立さ、や虚しさを 電子日記に嘆く。 血の通った現を遊離した思索は あらゆる枷から放たれる。 その 背に乗るは蝋の羽根。 陽が登る先に溶解して堕つ。 蝉に浮世の儚さを哭く 薄羽蜻蛉の想い、宛ら。 何処迄も、灰褐色の相克。 胸腔の影は陶酔に 脳髄の棘は快悦に。 無限の回旋曲に繋がって舞う。 残像は 生温い心地良さ、だけ。 虚構の 残滓、残像は 虚無。 |